観て来ました。かなり衝撃的な内容です。
終了後、たまたまこの映画の監督とプロデューサーのトークショーが始まり、
更に後日談が語られました。
ずっと前に私はTXの「ガイアの夜明け」で
化学物質過敏症(当時は確かシックハウス症候群と言っていたと思う)の患者を
追ったものを見ていました。
なんと、この映画の監督とプロデューサーはこの「ガイアの夜明け」で
撮影した人たちでした。
この番組の撮影で知ることになった、
最後の登場人物がこの映画に主に出ている女性なんだそうです。
こういう人がたくさんいる。でも、症状が様々で誤解を受けやすい、理解が得難い。
それを知ってもらいたくて、この女性とそのお母さん(お母さんも過敏症)
この映画に協力したとのこと。
なんともすさまじい生活です。
映画の撮影隊もこの親子に会う前には一切化学物質の入っていないものでシャンプーしたり、
たばこを吸わないようにしたり、一箇所に人が集まってしまうと、
一気に反応してしまうので、なるべく散らばって、
しかも7m以上離れて撮影するという状況だったとか。
住む所もままならない、
反応の出ないところでの生活の場を見つけるには本当に大変だということが良く分かる。
空気の良い山奥ならよいかというとそうでもない。
今や、農薬散布の時期になると風に乗って人里離れた山奥まで届いてしまう。
この映画は3.11の前に撮影されたらしく、では、その後はどうかというと、
やはり放射能汚染はもとより、PM2.5や黄砂など以前よりもひどくなっているらしい。
だましだまし、生活しているということ。
この女性は無農薬のリンゴで命をとりとめたという話が出てくる。
それが木村さんのリンゴ。
映画を見ていると、
木村さんのリンゴを皮を剥いて、薄く切って食べるシーンが出てくる。
無農薬のリンゴなら皮からガブッといけるんじゃないか?
なんで皮剥くの?
そんな質問が出るらしい。
実は、化学物質過敏症の人たちは歯医者に行けない。
歯医者さんの前を通るだけで具合が悪くなるそうだ。
そりゃそうだ。
救急車にも乗れない。病院にも行けないのだから。
化学薬品で一杯なのだから。
過敏症の人にしてみたら、治しに行くのではなく、
「死」に向かっていくようなもの。
ケガをしても、やけどをしても、ビワの葉で治していたのが印象的だった。
そういう訳で、歯の悪い人が多いらしい。
私たちが全く普通に生活している中で、
普通だと思っていることにこれほど身体が反応してしまう人たちがいること、
そうしてしまったのは他でもなく人間なんだということ、
こういう人たちがいることによって、初めて知る事実。
改めて、こんなになってしまった地球になにが出来るんだろうと考えてしまった。
是非、多くの人に見てもらいたいドキュメンタリー映画です。
《いのちの林檎》
公式サイト-世界で初めての化学物質過敏症を描いたドキュメンタリー
http://www.inochinoringo.com/